紙おむつ・軽失禁について
ここでは「紙おむつ」の使い方や処理方法等の知識から、安全・環境への取り組みまでQ&A形式でご紹介致します。
Q. 大人用紙おむつには、どのような種類があるのか教えてください。
紙おむつの種類については「基礎資料・紙おむつの種類と構造」を参照してください。 使用者のADL(Activities of Daily Living=日常生活能力)と、排泄の自立の維持・回復を考慮した、使用に適した紙おむつ類を下表にまとめてみました。 しかし、実際にはさまざまな条件が複雑に関係しますので、個々人に合わせた最適な紙おむつ、使用方法を見つけてください。
被介護者のADLレベルと使用する紙おむつの目安
ADLレベル
排泄状況
使用する紙おむつ類
1
概ね自立
生活の中で他人と同じようにできる
力を入れた時、せき・くしゃみなど腹圧がかかった時、少量の尿が漏れる
失禁用パッド
パンツ型紙おむつ
普通の下着、または専用の下着とともに使う
2
何とか自立
多少時間がかかるが、考えていることが実行できる
介助つきでも歩行可能で、何とかトイレまでガマンすることができ、自力排泄が可能な人
パンツ型紙おむつ
自分で上げ下ろしが可能なパンツ型紙おむつの使用で、排泄自立を維持する
3
一部介助 1
自分の力だけで実行できるが、かなりの時間を要する
介助があればトイレで自分で排泄することが出来る
パンツ型紙おむつと尿取りパッドの併用
パンツ型紙おむつの使用で、排泄自立を促す。
軽い漏れ程度は尿取りパッドのみを交換
4
一部介助 2
他人の手を若干借りれば、何とか自分でできる
尿意を告げることが出来、介助があればしびんなどで自分で排泄出来る
パンツ型紙おむつ、またはテープ型紙おむつと尿取りパッドの併用
軽い排尿程度であれば、尿取りパッドのみを交換
5
全介助 1
他人の手を借りて、何とか自分でできる。または、重度の痴呆状態である
介助つきで歩行は可能だが、主に寝たきり。自力排泄が困難な人
テープ型紙おむつまたはフラット型(おむつカバー併用)
尿取りパッドの併用も
排泄処理は主に紙おむつとなるため、夜間など長時間交換ができない場合、吸収量の多い紙おむつと尿取りパッドを併用
6
全介助 2
常に介護者が必要で、自分では全くできない
歩行が出来ず主に寝たきり、自力排泄が困難な人
テープ型紙おむつまたはフラット型(おむつカバー併用)。尿取りパッドの併用も
排泄処理は主に紙おむつとなるため、夜間など長時間交換ができない場合、 吸収量の多い紙おむつと尿取りパッドを併用
Q. 使用者に合ったサイズの選び方はどうすればよいのですか。
大人用紙おむつには、お使いになる方にフィットするようににいくつかのサイズが用意されています。サイズ選びの目安は、それぞれの製品パッケージに記載されています。ただし、記載されているサイズの適用範囲や、表示してあるサイズがヒップやウエスト、あるいは製品サイズなど、メーカーによって異なりますので、お確かめの上お求めください。
テープ型の場合
テープ型紙おむつは、テープを止める位置を調節することで、幅広い適用対象に合わせることができます。したがって、ヒップサイズを表示した製品が多くなっています。購入の際はヒップサイズを計ってその範囲にある製品をお求めください。また、ウエストサイズを標準に表示されている製品もあります。
パンツ型の場合
下着のように履いて着用するタイプなので、ウエストサイズを表示している製品がほとんどです。調節はウエストの伸縮でしか調節できませんので、お腹にゴムがくいこまない程度のサイズをお選びください。尿取りパッドを併用する場合は、その厚み分も考えてサイズをお選びください。
Q. ブランドを変えたら、同じMサイズ表示なのに適用範囲が違います。なぜ違うのですか。
紙おむつには使用者に出来るだけフィットするよう、数種類のサイズを用意しています。しかし、ご指摘の通り最終製品の適用サイズは、メーカーごとに若干の差があるのが現状です。これは、各メーカーが独自にデザインし、製造しているためで、消費者の皆様によりフィットした製品を幅広くお選びいただける結果ともなっています。
(一社)日本衛生材料工業連合会に加盟している企業の製品パッケージには、「(一社)日本衛生材料工業連合会のガイドラインに基づく表示」があり、その中の「適用対象」はウエスト、ヒッブあるいは製品のサイズなどその製品サイズの根拠と適用範囲が記載されています。購入の際に参考にしてください。
サイズ表示例(ガイドライン:平成18年8月1日)様式4より
Q. 軽度の失禁があります。何か良い方法はありませんか。
ごく軽い失禁の場合、下着の中に入れて使う軽度失禁用パッドなどを試してみてはいかがでしょうか。なお、失禁の量によって、お選びいただく製品が違ってきます。また、性別、ADL(日常生活能力)、TPOにもよります。ADLが高く、軽失禁であれば、軽度失禁用パッド、パンツ型紙おむつ、ADLは高いが失禁量が多ければパンツ型紙おむつ、ADLが低ければテープ型紙おむつやフラット型紙おむつ、さらにこれらと尿取りパッドを併用などとなります。
参考「軽失禁とは」
軽度の失禁とは軽いおもらし状態を言い、その原因や状態から次のようにタイプ別されています。
1.
腹圧性尿失禁……咳、くしゃみをした時やテニス、縄跳びなどのスポーツをしている時の尿漏れで、膀胱・尿道などを支える筋肉が弱く緩んでいるため起ります。出産を経験した中高年の女性に多く見られます。
2.
切迫性尿失禁……したいと思うと我慢できずに漏れてしまいます。膀胱が勝手に収縮して充分な尿をためる事ができないままトイレに行くので回数が増え、漏れやすくなります。膀胱炎、脳梗塞、脳出血を起こした人に多いです。
3.
溢流性尿失禁……排尿困難に伴って残尿が増え、溢れるように漏れるタイプです。前立腺肥大、骨盤内(子宮・大腸)の手術を受けた人、糖尿病、脊椎の病気の人に見られます。
Q. 大人用紙おむつでは大きすぎ、乳幼児用紙おむつは小さくて使えません。中間のサイズはないのですか。
大人用と乳幼児用の中間に位置する紙おむつとして、中間サイズの紙おむつがあります。これは、日衛連が「社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会」の協力と厚生省からの補助金を受け、障害児(者)の身体寸法や使用実態など、広範囲な調査を行い、1994年(平成6年)から下記の日衛連加盟会社で生産を開始し、販売しているものです。
詳細は下記の企業にお問い合わせください。
大王製紙株式会社
エリエールお客様相談室
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リブドゥコーポレーション株式会社
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